9月30日、EC-CUBE千葉UGが主催する「EC-CUBEカフェ 目的にあったカートの選択」を開催しました。
EC-CUBEカフェとは
今年2月から「EC-CUBE千葉UG」という名前でEC-CUBEサイトの運営者さん向けにセミナーを行なってきましたが、9月から方向性を改め「EC-CUBEカフェ」を月に一度運営していきます。
また過去のEC-CUBE千葉UGに参加してくれた「しらこさん」「なつみさん」が新たに運営チームに加わってくれました。
過去の参加者が仲間になってくれるというのは、会の発起人としてとても嬉しいことです。
せっかくの機会なので、これまでの会を振り返り、これからどのような会を作っていきたいか、何度も話し合いました。
そんな中1つの結論がでました。それは「もっと来た人の課題を聞いたり、僕らが持つホットな話題について話し合ったりする場を作りたい」ということ。
セミナーにも良さがありますが、来てくれた方の生の課題を聞いたり、僕ら自身が議論を深めたりするのは難しいというのが正直な感想でした。
そこで、これからは主催者も参加者の一員となって一緒に語り合う場を作っていこうと思います。コーヒーを片手にフラットな関係性で語り合いたい、そんな想いで「EC-CUBEカフェ」と名付けました。
「EC-CUBE」がこのカフェのキーワードですが、広く「ECサイトの運営」にも焦点を当てていますので、新しくネットショップを始めたい方やネットショップで悩みを持たれている方にもご参加いただけます。
今月のトピックは「目的にあったカートの選択」
EC-CUBEカフェでは毎月1つトピックを設けてみんなで意見を出し合っていきます。
初となる9月のトピックは「目的にあったカートの選択」。「そもそもなぜEC-CUBEを選ぶのか」を改めて問い直したいというのが今回の狙いでした。
昨今、BASEやSTORES.jpなど気軽にネットショップを開けるようになってきましたが、その中でもそれぞれのカートが得意としているもの、不得意なものがあります。
そしてどのカートを選ぶかは予算や技術的な知識、将来どの程度の規模までショップを拡大させたいかなど、様々な判断基準によって変わってきます。
普段はEC-CUBEにべったりですが、新しい運営者も増え、客観的な視点で考えてみました。
17時になると会場にはしらこさん、なつみさんの姿がありました。美味しいコーヒーとお菓子をつまみながら早速トピックについて話し合いました。
WordPressをベースとしたECサイトではストーリー調の商品説明が簡単
まず話題にあがったのがASPカートについて。EC-CUBEはよく触っているので慣れていますが、他のカートはどうなのか気になっていました。
しらこさんはWordPressと連携したWooCommerceを使用したことがあるそうで、導入すると視覚的には管理画面にECに関するメニューが追加されるとのこと。
割と簡単に機能追加できるそうで、WordPress本来の記事機能も使えるので、商品情報をストーリー調で書きたいなら適しているのではないかとの意見がでました。
EC-CUBEでも独自ページを作成することは可能ですが、WordPressの方が手軽に記事を作成できると言えるでしょう。
いい面がある一方で気になるのはやはりセキュリティの問題。
WordPressを標的とした攻撃数は特に多いので、カード情報非保持であっても、サイバー攻撃には入念に備えなければなりません。
EC-CUBEでもセキュリティに力をいればければならないのは言うまでもありません。
ASPカート・モールは販売数に応じて手数料が増してくる
WooCommerceやWelcartのようなWordPressをベースとしたECサイトの他にも、多くのASPサービスがあります。
また楽天やアマゾンのようなプラットフォームに商品を提供できるモール型のネットショップも開設できます。
ASPカートは基本的にプログラムの知識やコーディングスキルがなくても簡単にネットショップを作成できます。この簡単さには皆賛同していました。
またモールではすでに多くの閲覧者がいますので、独自でショップを解説するよりも容易に集客ができるでしょう。
共通しているのは多くの場合、決済手数料や月額利用料がかかってくるということです。
この場に弊社の大塚が参加していましたが「もともとASPカートで運用したものの手数料が高いのでEC-CUBEに移行したお客様は少なくない」とのこと。
販売数が上がってくるとその分手数料も高くなるので、そこが嫌になってしまうお客様が多いのだそうです。
簡単にネットショップを始められる反面、長期的にショップを運用していくのであれば厳しいのではないかという意見もでました。
またHTMLやCSSの知識があっても、細かいデザイン調整をする場合は有料、もしくはそもそもできないというASPカートもあります。ある程度自分好みにデザインを調整したい方にとっては、その点すこし歯がゆいかもしれませんね。
EC-CUBEの越境EC化
EC-CUBE以外のオープンソースではMagentoやShopifyがありますが、どちらも越境EC向けとの意見がありました。言わずもがな、どちらも海外製ですね。
ではEC-CUBEでは越境ECは難しいのか?と大塚に聞いたところ、最近は徐々に簡単に制作できるようになってきたとのこと。
例えば、どうしても住所の書き方は日本のそれとは違うためネックとなっていましたが、4系になって郵便番号の値の持ち方が変わりました。
これまではzip01,zip02という風に2つに分けて値を保持していましたが、4系からはpostal_codeと言う形で1つにまとまっています。
また4系になって多言語化も進んできましたね。マニュアルにも詳しく記載があります。
以前(2系, 3系)に比べて越境EC化が容易になってきたというのは間違いなさそうです。
改めてEC-CUBEはどうなのか?
EC-CUBEはオープンソースのECサイト構築パッケージであるため、自前でサーバーを用意し、インストールする必要があります。
ややサーバーの知識を要するのと、セキュリティの知識も少なからず必要とします。付随してサーバー利用費もかかってきます。
しかし、EC-CUBE自体の利用料がなく、機能追加も自由にできることは運営者の大きなメリットです。
将来的に機能を追加しようと思ってもASPカートやモールでは基本的に行うことができません。
「客観的に」とは思っていたもののやっぱり最後はEC-CUBE推しになってしまいました。。
とはいえ、様々な状況で適しているカートは異なりますのでいい研究ができた時間となりました。
次回のEC-CUBEカフェについて
次回は「お客さんに喜ばれるECサイトとは何か」をトピックとしてみなさんと議論を深めます。
簡単には答えが出ない話だと思いますが、「お客さんを喜ばせたい」「サイトのファンを増やしたい」というのは共通の想いではないでしょうか?
人によって答えは様々だと思いますし、正解・不正解はないと思います。
自分だけで思いつく以外の考え方や、方法を聞けるかもしれません。そんな思いで次回のトピックを決めました。
個人的には「自分がネットショップで満足した経験」を棚卸しして語りたいなと思っています。
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