EC-CUBE×Amplitudeによるグロース

 

リテンションマーケティング実践編!〜Unboundedリテンション〜

リテンションマーケティングとは、「お客様やユーザーをずっと引き留めておくこと」を意味しており、顧客やユーザーが商品やサービスを継続的に利用し続ける度合いを示します。
実際にリテンションマーケティングを行うには、どのように計測したら良いのでしょうか?実は、リテンションマーケティングには主に3つの手法があります。今回はその2つ目の手法をご紹介します。

前回は「N日リテンション」に焦点を当て、その重要性と計測方法について詳しく掘り下げました。今回は異なるリテンション手法の「Unbounded リテンション」にフォーカスしてみましょう。これは、「その日以降」に戻ってきたユーザー数で計算され、特に定期的でないプロダクトやチャーンレート(解約率)を確認する際に有益です。

Unbounded リテンションの意義

N日リテンションが特定の日におけるアクティブユーザー数を示す一方で、Unbounded リテンションは「その日以降」のユーザー数を考慮し、特に定期的でないプロダクトの利用率を正確に把握する際に優れた手法とされています。

Unbounded リテンションの優位性は、プロダクトの利用が定期的でない場合でも、ユーザーが何度戻ってくるかを包括的に計測できる点にあります。例えば、ある食品配達サービスの場合、ユーザーはそのサービスを毎日利用することを期待されていません。そのため、N日リテンションではなく、Unbounded リテンションを用いることで、よりリアルな利用データを取得できます。

また、Unbounded リテンションはチャーンレート(解約率)を理解するためにも活用されます。例えば、Day 8 の Unbounded リテンションが 36.4%であれば、これは初回利用者のうち約6割以上が Day 8 以降にプロダクトに戻ってこなかったことを示唆しています。この情報から、ユーザーの離脱のタイミングや理由を分析し、サービスの改善に繋げることが可能です。

リテンション曲線の考察

リテンション曲線は、新規ユーザーのアクティブ性を時間軸に対して可視化する手法です。この曲線が描かれることで、プロダクトやサービスの魅力をどれだけ維持できているかが視覚的に理解できます。

0日目の新規ユーザーのリターンオンまたはアフターリテンションが高い場合、それは初回利用後にユーザーが継続的にプロダクトに戻ってきていることを示しています。言い換えれば、ユーザーがサービスを知り、利用した後も定期的に興味を持ち、活発に利用し続けている可能性が高まります。

逆に、この比率が低い場合、初回利用の魅力が短期的で、ユーザーがプロダクトに対する興味を失いやすいことを示唆します。この場合、ユーザーエンゲージメントを向上させるためには、初回利用後の継続的な付加価値や魅力が必要です。

リテンション曲線のピークが初回利用後の期間にある場合、ユーザーは初回体験に強い興味を抱いていますが、その興味が時間とともに減退していくことを示しています。このような場合、プロダクト改善やコンテンツの充実など、初回以降もユーザーを引きつける要素の導入が重要です。

このように、リテンション曲線の分析を通じて、ビジネスはユーザーの動向を的確に理解し、戦略的な改善を行うことができます。このデータ駆動のアプローチにより、プロダクトやサービスの魅力を長期的に維持し、ユーザーとの強固な関係を築くことが可能です。

活用例

オンデマンド・デリバリー

例えば、オンデマンド・デリバリーサービスは、ユーザーが毎日商品を利用することを期待していません。そのため、N-Dayリテンションではなく、Unbounded リテンションを通じて、最初の利用者の後に何人の新規ユーザーが商品を買いに戻ってくるかを見ることが重要です。

まとめ

今回はUnbounded リテンションにスポットを当て、その重要性と具体的な計測方法を解説しました。リテンションマーケティングにおいて正確な計測が成功の鍵であることを再確認し、目的に合わせたリテンション手法の選定がビジネスの成果に直結することを理解しましょう。

次回以降も異なるリテンション手法を掘り下げ、実践的な知識を深めていきます。お楽しみに!

この記事の運営元は
EC-CUBEトップベンダーの
株式会社Refineです。
セキュリティ対策をはじめ、ユーザー行動に基づいたデザイン制作、機能カスタマイズ等、多種多様なECサイト制作を行っております。
事業内容

– EC-CUBE制作支援
– Shopify / Shopify Plus導入支援
– EC特化グロースマーケティング支援
– ECサイト保守・運用

\ 開発実績数500件を突破 /

ピックアップ記事

  1. 5つの業界におけるファネル分析の例とケーススタディ
  2. ECサイト運営で定点観測すべき指標とは?
  3. ファネル分析で ECサイトの売上アップ
  4. 商品毎の売上トレンドを数クリックで可視化する!

関連記事

  1. ECサイト

    CV(カート)ボタンの43%は赤色!?実際に使われているカートボタンの色を調査!

    前回はCV(カート)ボタンのデザインについてご紹介し、売り込み感が…

  2. EC-CUBE×Amplitudeによるグロース

    小さな工夫で大きな収益を生む方法とは?|データ主導の成長戦略を紹介

    今回ご紹介するのは、ヨーロッパで人気の写真印刷サービス「PhotoSì…

  3. EC-CUBE×Amplitudeによるグロース

    リテンションマーケティングの準備〜まとめ編〜

    これまでの記事では、リテンションマーケティングのための準備段階として、…

  4. マーケティング

    プロダクトレッドグロース(PLG)に必要な環境とは?

    プロダクトレッドグロース(PLG)において成功するためには、特定の環境…

  5. ECサイト

    EC-CUBEとSalesforceでできるインバウンドマーケティング

    ECサイトを運営していれば自然と膨大な量が集まる顧客リスト。その顧…

最新の記事

  1. ECサイト

    Shopifyで連携できるCRM -Salesforce Sync-
  2. ECサイト

    ShopifyとEC-CUBEの違い -仕様の差-
  3. ECサイト

    ECカートプラットフォーム徹底比較!EC-CUBEとecforceの違いとは?
  4. ECサイト

    ECサイト、何でつくる?ECプラットフォーム別費用比較
  5. ECサイト

    EC-CUBEとShopifyの違い -ECサイトの種類-
PAGE TOP