ECやプロダクトを長く使ってもらうためには、ユーザーエンゲージメントの向上が不可欠です。
ユーザーエンゲージメントは、単にアプリやウェブサイトを開いているだけでなく、実際にその中で動いているかどうか、使っている機能やコンテンツに興味を持っているか、そして他の人と共有しているかなど、ユーザーが製品やサービスにどれだけ関わっているかを示すものです。
今回は、ユーザーエンゲージメント向上に役立つ「スティッキネス」と「セッションメトリクス」という分析方法を、初心者にも分かりやすくご紹介します。この記事では、無料で使用できるAmplitudeという分析ツールを使用していますが、他の分析ツールでも同様の手法で分析可能です。ぜひ参考にしてみてください。
ユーザーがプロダクトをどのように使っているかを分析する方法については、過去の記事で詳しく説明しています。
「スティッキネス」ってなに?
スティッキネス(Stickiness)とは、粘着性という意味があり、マーケティング用語において商品やサービスにユーザーがどれくらい熱中・惹きつけられているかの状態を示します。
このスティッキネスは、ユーザーエンゲージメントの強さを教えてくれる大切な数値で、1日のアクティブユーザー数を月間アクティブユーザー数で割って算出することができます。
下記の図は、分析ツールのAmplitudeを使ったある顧客の例で、モバイルゲームの製品におけるスティッキネスがグラフで見られます。このグラフは、ユーザーがアプリを何度も開く頻度を計り、一般的な利用状況のスティッキネスを知る手助けをしています。
例えば、紺色のペルソナ4は特に粘着性があり、このグループのユーザーのうち約75%が週7日間毎日アプリを開いていることがわかりました。マーケティング施策を考案する際には、これを元にペルソナ4に焦点を当て、他のペルソナにも同様のエンゲージメントを促すアイデアを考えていくのです。
知っておきたい用語
ペルソナ
特定の製品やサービスを利用する架空のキャラクターまたは仮想のユーザー像を指します。
これは、実際のユーザーグループを代表するイメージや特性を取り入れ、製品やサービスの開発やマーケティング戦略を行う際に役立つツールとなります。
「セッションメトリクス」ってなに?
セッションメトリクスは、個々のユーザーがアプリやウェブサイトをアクティブに使っている期間を知るための手法です。セッションの長さや頻度を理解することで、ユーザーエンゲージメントについての重要な情報を手に入れることができます。
Amplitudeでは、セッションの定義を柔軟に変更できます。例えば、音楽ストリーミングサービスの場合、セッションが音楽再生中に限らず、アプリがバックグラウンドにある場合も続行されるように設定できます。
セッションメトリクスの有用な使い方として、以下のポイントが挙げられます。
- 長さの分布: ユーザーごとのセッション時間の分布を確認し、傾向を理解します。
- 平均の長さ: ユーザーごとの平均セッション時間の長さを計算して、エンゲージメントの傾向を理解します。
- ユーザーごとの平均: ユーザーが一日に何回アクティブになるかを把握し、頻度に応じたアクションを検討します。
セッションの長さ分布を読み解く
セッション時間の長さ分布を可視化すると、特定の時間帯や期間におけるユーザーアクティビティの傾向が明らかになります。
例えば、下のチャートでは、セッション時間が10分から30分の範囲で最も多いことが示されています。
まとめ
プロダクトの「スティッキネス」と「セッションメトリクス」を理解することで、ユーザーエンゲージメント向上に一歩近づきます。ペルソナごとの行動パターンを把握し、それに基づいたマーケティング施策やプロダクト改善を行いましょう。
今回ご紹介した手法を実践することで、マーケティング初心者でもユーザーエンゲージメントの向上に寄与できるでしょう。是非、ECサイトやプロダクトで実践してみてください。
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